「杉並冒険遊び場・のびっぱひろっぱ」でお話を聞いてきました。(令和元年9月1日)

 

ページ番号1055208  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

冒険広場全景の写真

こんにちは。水遊び、泥んこ遊びが心地よい季節ですね。汚れた服もくつも洗えばすぐ乾く!思いっきり遊びたい時、自然の中でのびのび遊びたい時、プレーパークがおすすめです。
平成12年に、杉並区の保護者たちは子どもたちが自由に遊べる場所を作りました。それが、「杉並冒険遊び場・のびっぱひろっぱ」。杉並区内に初めてつくられたプレーパークです。デンマーク発祥の「冒険遊び場:プレーパーク」は、子どものさまざまな興味関心を受け止め、子どもが自由に遊びを生み出したり、遊びの場を作ったりすることができる場所です。約40年前に世田谷から始まり、その後日本各地に広がりました。

京王井の頭線の浜田山駅を出てしばらく歩くとほどなく、緑があふれる柏の宮公園が見えてきます。そこには思い思いに自分の好きなことをして遊ぶ子どもたちの姿があります。
杉並区内にも現在3団体が主催するプレーパークがありますが、今回は一番歴史の長い「杉並冒険遊び場・のびっぱひろっぱ」さんにお話を伺いました。

「杉並冒険遊び場・︎のびっぱひろっぱ」について

いつ、どうやって始まったのですか?

約20年前、公園の看板には「周りの方の迷惑にならないように遊びましょう」と書かれていました。近隣からの苦情もあり、子どもたちが思うように遊ぶ場所はなかなかありませんでした。そんな中、世田谷区にある羽根木公園のプレーパークに行ったら、子どもたちは夢中で遊び「何で杉並にないの?作って」。子どもの思いを実現するために、行政や福祉協議会などにかけ合ったりする中で、同じような熱い思いを抱えている他の保護者の方々と出会い実現しました。

どこでやっていますか?場所は増えるのでしょうか?

定期的に開催しているのは、柏の宮公園と井草森公園の2カ所です。ただ、昨年から杉並区内のいろいろな公園でも年に何回か開催しています。(馬橋公園、大宮前公園、天沼弁天池公園など)
お近くの公園でも開催されるかもしれません。「のびっぱひろっぱ」のホームページやフェイスブックでチェックしてみてくださいね。

いつやっているのですか?雨が降ってもありますか?

日程

  • 柏の宮公園:原則、毎月第2水曜日、第3土曜日、第4日曜日に開催(雨天でも公園の管理棟の中で開催しています。)
  • 井草森公園:原則、毎月第1日曜日、第4水曜日 に開催(雨天中止)

時間
午前10時から午後4時までやっています。いつ来てもいつ帰っても大丈夫です!
変更もあるのでホームページでチェックしてくださいね。

「のびっぱひろっぱ」はどんな場所?

どんなことができるのですか?

昔は遊びや生活の中で経験していたのに、今では「あぶない、汚い、うるさい」と言われて経験する機会が少ないような遊びができる環境を用意しています。
その中で、子どもたちはそれぞれ自分のやりたいことが何かを考え、好きな遊びに好きなだけ熱中し、自分の遊びを作り出すこともできるような場を目指しています。

具体的には子どもの遊びの1週間、と言われる環境があります。
(例)(つき)は夜の冒険、(ひ)はたき火、(みず)は水遊び、(き)は自然、木、(かね)はカナヅチ、ノコギリ、ベーゴマ、ロープ、(つち)は泥遊び、(ひ)はおひさま など

ハンモックの写真・焚き火の写真・水遊びの写真
のびっぱひろっぱフェイスブックより

どんな子が来ていますか?

年齢制限はありません。
平日の午前中は未就園児、未就学児などの小さい子どもたちが中心です。
午後からは学校帰りの子どもたちも来ます。土曜、日曜は、小学生や中学生が多いですが、小さい子も遊びに来ています。

子どもだけでもOK?

小学生以上なら1人やお友だちときても大丈夫です。
幼稚園のころには兄弟や家族と来ていて、小学生になった今では1人でお弁当を持ってバスに乗って来て、1日楽しんでいく子もいます。

初めての参加で、1人で行っても大丈夫ですか?

はじめは様子を見ているだけの子もいます。ゲームをしている子もいます。何をしてもしなくてもいい場所ですので心配しないでください。最初は慣れない子でも何回か来ているとだんだんと馴染んできます。専門性をもったプレーリーダーや団体のスタッフ、また大学のサークルで来ている大学生のお兄さんお姉さんが、お子さんの様子を見ながら声をかけたり、一緒に遊んだりしますので、大丈夫です。
着替えや替えの靴、飲み物(長くいる場合はお弁当やおやつ)を持ってぜひ遊びに来てくださいね。

小さな子どもでも遊べますか?

保護者付き添いで遊ぶ子ども達の写真

上に兄弟がいると赤ちゃんの時から遊びに来ることもありますが、やはり自分で歩いて遊べるようになってからの方が楽しめると思います。ただ、赤ちゃんは小学生の女子には大人気で、代わる代わる抱っこしています。
また、小さなお子さん向けに、プレーパークの横で木育広場を開催していることもあります。
木のおもちゃの良さに触れられるだけでなく、屋外の気持ちの良い中で遊べますし、親同士の交流にもつながります。木育広場で遊んだ後に、プレーパークがどんな感じかのぞいてみることもできます。
毎月第2水曜日の午前中、柏の宮公園でやっていますので、よろしかったらぜひ来てください。(雨天の場合も管理棟で開催しています。)

プレーパークの特徴は?

普通に公園で遊ぶのと何が違うのですか?

自由にやりたいことができる空間・人・時間があります。
午前10時から午後4時までお弁当をもって1日いる子もいます。
「やっちゃだめ!」とか「無理じゃない?」という言葉は聞きません。
プレーリーダーという専門性をもったスタッフが見守っているので、自由に遊ぶことができます。アドバイスをもらうこともできます。

プレーリーダーって何をする人ですか?

プレーパークでは、たき火やカナヅチを使うなど、普段「あぶない」と禁止されているような遊びもできます。
また、子ども自身がやりたいことができるように大人は過度な口出しはしません。
そんな中で、子どもの「したい」に寄り添いながら一緒に考えたり、必要に応じて、道具や水や火の使い方などをアドバイスしたりする専門的なスタッフで、現在3名が常駐しています。

誰が運営しているのですか?

プレーリーダーの他に、団体のメンバーがスタッフとして運営しています。
そのほかに、準備・片付け・焚き火番・木工手伝いなど、遊びにきている子どもたちの保護者も慣れてきたら、一緒にお手伝いをしてくれます。参加している子どもたちの手が離れるくらいの年齢になってからですね。
団体としては、平成12年10月に任意団体「杉並冒険遊びの会」として発足し、現在は「NPO法人 杉並冒険あそびの会」として運営しています。

「のびっぱひろっぱ」からのメッセージ

結果ではなくプロセスを楽しんで欲しい

最近、映像や音声など子どもに入る情報量が多く、知っていることとできることの線引きが難しくなっているのではないかと感じています。例えば、映像で見て「木」というものは知っていても、その硬さや手触り、におい…といったことはわからない。木を切っている映像は見たことがあっても、実際に自分がやってみようとするととても固かったりして、「こんなはずじゃなかった…」ということになる。そんなことが度々あると意欲がなくなってしまったり、フラストレーションになったりするのではないかと心配しています。
めんどくささも楽しさです。怒られることもあるかもしれませんが、人の目を気にせず遊んで欲しいです。「のびっぱひろっぱ」では、結果ではなく、いろんな体験のプロセスを楽しんでくださいね!

子どもに寄り添う

保護者の方には、子どもが本当にやりたいことは何なのか、何をしようとしているのか考えるきっかけにしていただければと思っています。
「のびっぱひろっぱ」では、保護者の方は子どものやりたいことを受け止めて、とことんやらせてあげて欲しいです。やりたいこと、やっていることを認めてもらえる、思ったことは間違っていない、と自尊感情につながっていくのではないかと思います。また、プレーリーダーやスタッフなど子どもに寄り添ういろんな大人がいます。またお兄ちゃん、お姉ちゃん的な学生さんたちがいます。距離感や接し方なども子どもたちは体感で学び取っているようです。

焚き火を楽しむ子どもたちの写真

プレーリーダーと子どもたちの写真

取材を終えて

木漏れ日の中、子どもたちが各々に遊ぶ姿を見守りながら、保護者も「あぶない!」とか「他の人に迷惑だから!」とか余計なことを言わなくてよく、穏やかな時間が流れているような気がしました。子どもによっては、遊ぶだけではなくプレーリーダーや大学生のお兄さんお姉さんたちと話したり、他の子が遊ぶ様子を見たり、火を眺めてみたり、「居心地よく過ごせる場所」という印象を受けました。

今の時代にこそ必要な学校や家以外で子どもがのびのびと過ごせる居場所。児童館や「のびっぱひろっぱ」で他のママたちと話してみると「世田谷区の羽根木公園のプレーパークにも行ったことがある」という声も聞きます。理由は「常設なのでいつでも行ける」から。太陽の照りつける中、頑張って自転車で行く方々もいるそうです。杉並区でもいつでも行ける場所ができる日が来るといいですね。

杉並区にプレーパークがあるのは、とてもありがたいことです。立ち上げた保護者の方々の熱い思いと行動力のお陰で今、杉並区の子どもたちが自由に遊べる場所があるのだと思います。手弁当で立上げや運営をされているので、みなさんご苦労も多いと思いますが、明るく前向きで子どもたちに思い切り遊んで欲しい!という熱い思いが伝わって来ました。

平成27年度から、杉並区とNPO法人杉並冒険遊びの会との協働提案事業として、子どもプレーパーク事業を開始し、平成30年度からは区の委託事業として実施しています。

柏の宮公園 杉並区浜田山2丁目5番1号
京王井の頭線「浜田山駅」徒歩7分
南北バスすぎ丸(浜田山・下高井戸間、さくら路線)「柏の宮公園入口」下車徒歩5分

井草森公園 杉並区井草4丁目12番1号 
西武新宿線「井荻駅」徒歩8分
JR中央線・東京メトロ丸ノ内線 荻窪駅(北口)から、西武・関東バス(荻11)石神井公園行き、(荻17)練馬高野台行き、(荻12-1)南田中車庫行きで、「井草森公園」下車徒歩5分

すぎラボライター うっち

 

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