プロとしての意識で臨む!お話会
天沼小学校開校当初から続く「あまぬまワンダラーズ」によるお話会について紹介します。
「あまぬまワンダラーズ」とは、天沼小学校支援本部の愛称です。児童のワンダー(なぜ?何?)をワンダフルな学びの支え手で実現していこうという思いでつけられたそうです。今回紹介するお話会は、数あるプロジェクトの中の一つ、「読書活動プロジェクト」が実施しています。
杉五小、若杉小それぞれで素話や読み聞かせは行っていたそうですが、天沼小が開校したことで両校の取り組みのよい部分を継承しつつ、天沼小ならではの取り組みとして工夫を重ねここまで続いています。
朝の忙しい時間にも関わらずインタビューに協力していただきました。
Q.どのような思いで読書活動のボランティアに参加していますか。
A.子どもたちは、6年間聞き続けることで、本が好きな子もそうでない子もみんなが本に親しむことができています。児童のみんなに本に親しんでほしいという思いに賛同してくれる人々の力で成り立っています。
A.バラエティ豊かな本の刺激を浴びることで考える力や聞く力などが身に付くと思います。多くの児童にそういった経験をしてほしいと思っています。
A.教育課程内で行っているのでボランティアとは言え「授業を行うプロなんだ。」という意識で臨んでいます。そのために教壇に立つ心構えや話の仕方など勉強会で学んでいます。
また、お話に対する児童の反応がとても楽しいと教えてくださいました。天沼小学校の特色ある教育活動の一つに位置付けられている読書活動をよりよい活動にするために、学校支援本部の方を中心に日々、試行錯誤しながら取り組んでいます。
この日のお話会で紹介した話は次の3つです。
- おはなし…マメ子と魔もの、はちの女王
- 絵本…こねこのピッチ
お話会のはじめにボランティアの方から「お話会の約束、覚えていますか?」と児童に投げかけると、「おしゃべりや話の続きを話さない。」や「話している人の方をしっかり見て話を聞く。」と答えが返ってきました。みんなしっかり覚えていて、児童とお話会を楽しむための約束を確認しながらお話に入っていきました。
素話は、聞き手である児童一人一人が想像の世界を楽しみます。私も児童の後ろから一緒に話を聞いていましたが、児童がみるみるお話の世界に入り込んでいく様子が分かりました。緊迫の場面では息を飲んで前のめりになったり、愉快な場面では、手を叩いて大笑いしたりする姿が見られました。お話が終わると自然と感想を交流する児童もいました。
3本のお話が終わると最後に本の紹介がありました。今日紹介した話が入っている童話やその中に入っている馴染みのある話についても触れていました。また、絵本は絵をじっくり見ることも絵本の楽しみ方の一つだよと教えてくださいました。多くの児童に絵本を手に取ってもらえるように、シリーズものや同一作者の絵本の紹介もしていました。
卒業時には、「卒業によせて 6年間に聞いた絵本とおはなし」と題した冊子を毎年配っているそうです。冊子の最後のページには次のようなメッセージが寄せられています。「前略 これからも心の宝物になる本に出会えますように…。読み聞かせやおはなし会を楽しんでくれてありがとう。ご卒業おめでとうございます。」
天沼小学校を卒業した児童は、このメッセージを見て、どんな話を聞いたかを思い出すだけでなく、多くの人々が自分たちの学びを支えてくれていたことを思い出すことでしょう。
いつか、お話を聞いた側の児童がお話をする側の地域の力になって帰ってくる日がくるかもしれませんね。
このページに関するお問い合わせ
教育委員会事務局学校支援課
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0692