子育てママのメンタル事情1「専業主婦が向いてない? Aさんの場合」(平成30年4月1日)

 

ページ番号1039998  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

イライラや不安のイラスト


私ってこんなに怒る人だったっけ。
なんだか急に悲しい気持ちになっちゃった。
なんてね。分かる。分かります。
子育てって大変なことばかりだもの。メンタルも揺さぶられますよ。

産後うつとか、産後クライシスとか、実は、結構たくさんの人が経験していることなのです。

あれ、おかしいなと気づいたポイントや、心療内科の受診のタイミング、どのように回復したかなど、先輩ママの話の中に、参考になることがあるかもしれませんよ。
子育てママのメンタル事情と題して、不定期に連載していきます。

Aさんの場合

Aさんのイラスト

出産前までバリバリ仕事をしていたAさん。
27歳で第一子を授かりましたが、生後1カ月から精神の不調を感じ、心療内科へ通うようになりました。
原因は、夫がいる家での育児だったようですが、長引いてしまったのは、夫婦の価値観の違いのようです。
妻は専業主婦がよい、ご飯は冷凍してはいけない、など、夫のこだわりに戸惑いの連続。
すぐに癇癪を起こすので、話し合いがうまく進められず、話せば話すほど喧嘩になる関係でした。

不調から現在までの流れ

不調に気づいたきっかけ

家に帰れないイラスト

第一子が生後2カ月の時、赤ちゃんの顔を見にきてくれた友人を駅に送り届けた後、吐き気や下痢で家に帰れなくなってしまったAさん。通常なら10分の距離なのに、その日は2時間もかかりました。
それ以前にも、本が好きだったのに活字が追えない、階段がうまく下りられない、物忘れがひどくなった、泣いてばかりいる、という症状が出ていましたが、この出来事によって、これは危ない、と認識したそうです。

友人に心療内科を紹介してもらう

カウンセリングのイラスト

Aさんは、児童館で知り合ったママ友に相談しました。
その方は、ご自身がパニック障害を持っており、かかりつけのクリニックがあったそう。
紹介してくれただけでなく、一緒に行ってくれたのだそうです。
薬をいくつか処方され、カウンセリングを保険適用で受けることができました。
認知療法は非常に合っていたというAさん。
夫へのうらみつらみをカウンセラーに話していると、「それだけ旦那さんのこと好きだったんですね」というコメントをもらって驚くなど、同じことでも、別の見方ができるという経験が何度もあり、思考が柔軟になって行ったそうです。

仕事復帰

専業主婦は向いていないと感じたAさんは、生後5カ月から、第一子を保育ママに預けて復職。
外の空気に触れることで、少しずつ、夫との距離感をうまくとれるようになっていきました。

夫の協力

第一子が小学校一年生になる頃に転職した会社が、激務の会社だったAさん。
在宅勤務の夫が、学童へお迎えに行き、晩御飯を作り、食べさせ、お風呂に入れて、寝かしつけをするようになりました。Aさんは日付が変わるような時間に帰る状況。それまで夫とは、価値観のズレが大きく、許せない気持ちが強かったA さんですが、子育てに力を注いでてくれている感謝の気持ちから、少しずつ、信頼関係ができていったそうです。

父の死をきっかけに子作り

第一子が年長の時、実の父が逝去。
夫の突然の死に悲しむ母を支えなくてはいけなかったとき、自分の兄弟と話をすることが、精神的に大きな助けとなった Aさん。
その経験から、自分の子どもにも、兄弟がいた方がいい、と痛烈に感じたそうです。

第二子の妊娠をきっかけに断薬

その時処方されていた薬は、妊娠に影響しにくいとは言われていたものの、かかりつけの医師と相談して、漢方に変更しました。妊娠後期には完全に服薬をストップ。
妊娠中は、精神的な不調よりも、つわりで必死でしたが、出産して、つわりがなくなっても、産後うつはまったくありませんでした。
産後半年ほどのある日、児童館に行っている道すがら、急に目の前が明るくなったように感じ、あ、軽いうつはあったのかな、と思ったけれども、自分では意識しなかった程度のものだったということです。
以降も、夫婦関係の構築は、ずっと模索しながらやっていらっしゃるそうです。

夫の変化

こうして、長く夫婦生活を続けながら、何度も喧嘩をするうちに、夫自身にも変化が。
癇癪を起こすとうまくいかないということを学んだようで、心を落ちつける方法について書かれた書籍を読むなど、自分なりに努力している姿が見られるようになったそうです。
それから、夫への教育法として、面白い方法を友人に聞いたと、教えてくださいました。
「大変だったね、ハイ」「タイヘンダッタネ」「そうなんだ、ハイ」「ソウナンダ」とおうむ返しに声に出させる練習です。
妻は、ただ共感してほしいのに、夫が、解決策を提示したり、批判したりしてしまい、もやっとする、そんなご夫婦はお試し下さい。

インタビュアーから質問

質問者のイラスト

7年間も服薬するという大変な状況だったようですが、当時、やればよかったと思うことはありますか。


Aさんのイラスト

パートナーシップについて話し合いができるとよかったのかな。
こうすべきという考えがお互いにゆずれず、夫なら、妻なら、母親なら、父親なら、がぶつかりあっていた。
こうなると、お互いばかりを見て、同じ方向を見ることができないんですよ。
義理の兄夫妻を交えて話し合いをしたこともあるが、喧嘩になってしまって、うまくまとまらなかったので、どうしたらよいかは難しいんですが。


質問者イラスト

同じように悩んでいる方へ伝えたいことはありますか。


Aさんのイラスト

やっぱりパートナーシップについて話した方がいい。
例えば、家が欲しいという夢からでもいいし、子どもは大学に行かせたい、という話からでもいい。そうしたら、二人で働かないと無理だよね、じゃあ子育てはどう分担して行くのか、という話になっていくから。

パートナーとの話し合いのイラスト

おわりに

ライフプランを夫婦で描くのは本当に大切なことですが、とっても難しいものですよね。
Aさん夫婦の価値観のすり合わせも、まだまだ現在進行中とのこと。
夫婦の関係は、時間をかけて成熟させていくものなんだな、と感じました。
 

すぎラボライター ヤリタガリ

 

このページに関するお問い合わせ

子ども家庭部管理課庶務係
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0686