離乳食におすすめのお米は?「街のお米屋さんに行ってきました」(平成30年9月1日)
みなさんは、お米を購入する際、何を優先に選んでいますか。
産地、風味や食感、銘柄でしょうか。
昔は国の販売ルールがあり、お米は専門店での販売のみでしたので、自分や家族が口にするお米の魅力やアドバイスを直接受けることができました。最近はスーパーでも手軽に購入できますが、お米の詳しい情報が得られないというデメリットもあります。
そこで頼りにできるアドバイザーが、街のお米屋さんです。
街のお米屋さんに行ってみました
今回お話しを伺ったのは、大正15年から続く、環状八号線沿いに店を構える荻窪の「森田屋米店」さん。平成30年の取材時点で創業93年と、老舗のお米屋さんです。
現在は三代目ご夫婦で営んでおり、定期的に各お米の農家さんまで出向き、お客様にその魅力を伝えています。
離乳食におすすめのお米ってありますか?
「ササニシキ」がおすすめですね。最近はモッチリふっくらした、いろいろなお米が販売されていますが、「ササニシキ」はどちらかというと、さっぱり。人生の最初なので、お米本来の味を感じられるとよいのではないでしょうか。
お米アレルギーが増えていますね。
農家の方が自身のアレルギー体験から漢方農法で育てられたお米「漢方未来米」も、よかったら試してみてください。
お米の栄養を効率よく摂る方法はありますか?
胚芽(はいが)にはお米の栄養が多く含まれているので、できれば、胚芽が残った状態の胚芽米を食べた方がいいですね。うちでは胚芽を残した「白めの胚芽米」という精米方法も選べますので、お試しいただければと思います。見た目はほとんど白米と変わらないので、玄米が苦手なご家族の方やお子様にもおすすめですよ。
かつて80年代初頭までは、「ササニシキ」が主流でしたが、その後、「コシヒカリ」と「あきたこまち」などの新品種が出回りました。90年代のスーパーライス計画によって現在は品種改良が進み、特長のあるお米が人気となっています。その中でも、流行りの「もちもち食感」は、アミロースの量が影響しているようです。
- アミロースが少ないお米
もっちり。冷めてもおいしい。「ミルキークイーン」など。最近では「低アミロース米」として出回っている。 - アミロースが多いお米
あっさり。チャーハンや魚料理に向いている。「ササニシキ」や、最近では「天のつぶ」など。米麺や米粉におすすめの「高アミロース米」の開発が進んでいる。
お米の選び方
精米方法別に選ぶ
玄米や白米はスーパーでも販売していますが、お米屋さんでは、白めの胚芽米・7分づき・5分づき・3分づきなど、栄養を残した分(ぶ)つき精米が可能です。忙しい毎日でも、栄養を残した精米方法を選ぶだけで、家族の健康をサポートできるなんて素敵ですね。
目の前で精米をしてくれるのも魅力のひとつ。

栽培方法別に選ぶ
農家の方がこだわりの栽培方法で育てたお米があります。有機栽培も特別栽培も、相当の技術が必要になってきます。
JAS有機栽培米
各認定機関において、有機JAS規格に基づいた土や肥料を使い、承認されたお米のみに付与される認証。「有機JASマーク」が目印です。国内では、JAS法で認定された農産物や農産物加工品のみ、「有機」「オーガニック」と表示ができます。
特別栽培米
栽培地域毎に定められる規定より、農薬と化学肥料の使用量が50%以下で育てられたお米。認証された県によってラベルが異なります。分類上、特別栽培米でも、農薬不使用だったり、化学肥料を使っていないお米もあります。
慣行栽培米
上記以外のお米です。
数値での分析・プロによる鑑定結果で選ぶ
「おいしいお米」というのは人ぞれぞれの感覚によりますが、栄養分析と鑑定士によるコンクールも行われており、ノミネート及び受賞を基準にお米を選ぶのもひとつの方法です。
米・食味鑑定士協会主催の「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」では、玄米の成分と、粒の整い方を測る1次審査、味の度合いを測る2次審査の合計点数が高かったお米が選抜され、ノミネートされます。
森田屋米店さんでは下記の受賞米を取り扱っているそうです(平成30年8月現在、五十音順)。
- 漢方未来米(かんぽうみらいまい)
- 櫛名田姫米(くしなだひめまい)
- 小松姫(こまつひめ)
さらに、お米の鮮度を保つため、お店に届いてからも低温倉庫で温度・湿度調整を行っているとのこと。細やかな気遣いが、お米のおいしさにつながるんですね。
まずはお近くのお米屋さんを見つけて、気軽に立ち寄ってみることから始めてみましょう。
今回の取材先
森田屋米店
住所:杉並区南荻窪1丁目43番17号
電話:03-3333-9512
取材を通じて
我が家では数年前まで、「お米は持ち帰りやすい・買いやすいスーパーで購入」しており、栄養やおいしさは二の次でした。初めて森田屋米店さんで購入したとき、今までと同じ炊飯方法にも関わらず、風味の違いを感じたことを今でも忘れません。精米方法も選べるため、今では「今日は胚芽米」、「今度は5分づきと白米を家でブレンドしてみよう」と栄養を考えながら、楽しくお米を選ぶ習慣ができました。
離乳食やお弁当など、用途に応じてお米の銘柄を選ぶことも大切なポイントなんですね。
すぎラボライター じゅん
このページに関するお問い合わせ
子ども家庭部管理課庶務係
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0686