2 世尊院 【寺院】(阿佐谷北1丁目26番2号)
世尊院は正式には阿谷山世尊院正覚寺(あこくさんせそんいんしょうがくじ)という、真言宗豊山派の寺院で、本尊は不動明王です。
創立は、現在中野区にある宝仙寺が阿佐谷から移転した頃と伝えられ、「武蔵名勝図会(ずえ)」には、永享元年(1429年)と記されています。
移転以前の宝仙寺は、現在の阿佐谷南三丁目九番の付近に山門をかまえ、当時の寺領は、中央線の阿佐ケ谷駅付近にまで至る大寺であったといわれています。
この宝仙寺が移転した後に、宝仙寺の子寺で、地元住民の菩提寺として残されたのが世尊院です。
本尊の木造不動明王立像や、観音堂の木造聖観世音菩薩立像(杉並区指定文化財)は室町期の様式がうかがえる立派な仏像です。
なお明治22年(1889年)から大正11年(1922年)まで、旧杉並村の村役場が当寺の本堂に置かれていました。
現在の本堂は、昭和10年(1935年)に再建されたものですが、東京都計画道路補助133号線(中杉通りを含む)の整備に伴い、昭和48年(1973年)に現在地に移築され、今日に至っています。
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