149 井荻町土地区画整理碑 【その他】(善福寺1丁目33番1号)
この後ろの、柵の中にある石碑は、昭和15年5月1日に区画整理事業の完成を記念して、井荻町土地区画整理組合によって建てられたものです。井荻地区の土地区画整理事業は井荻村全域を区画整理の対象としたもので、当時の井荻村長だった内田秀五郎らによって計画されました。大正14年には内田を組合長として井荻村土地区画整理組合(後には井荻町)を設立し、10年後の昭和10年3月に区画整理事業を完了させました。整理総面積は888町歩(約880ヘクタール)に及び単一町村独自で行った事業としては、全国屈指の大規模ですぐれた街づくりでした。
碑の正面にはこの区画整理事業の経過を、裏面には組合役員132人の名が刻まれています。撰文は石川兼六、揮毫は正面篆額林博太郎、裏面篆額岡邨恒夫、正面碑文及び裏面人名は持田貫道です。
高さ617.5センチの棹石(粘板岩)と高さ約100センチの台石(花崗岩)からなる当碑は、区内にある記念碑としては最大のものです。棹石は石巻、台石は筑波山の産で、現地より特別仕立ての貨車で荻窪駅まで運び、駅からこの地までトラックで牽引して運んだということです。緑豊かなこの敷地は、宮司及び氏子の方々のご協力を得て選ばれたものです。
本碑は、東京近郊農村であった井荻地区が都内でも有数の郊外住宅地として発展する基礎をつくった区画整理事業の完成を伝える記念碑です。
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