107 法照寺 【寺院】(永福1丁目6番11号)
当寺は寂静山潮音閣と号する浄土真宗本願寺派の寺院で、本尊は阿弥陀如来立像です。
開基は明教(寛永5年〈1628〉9月4日寂)といわれますが詳細は不明です。
寺伝によれば、当寺は相州鎌倉に開創され、天正18年(1590)武州豊島郡湯島(現文京区本郷)へ移転し、元和7年(1621)浅草浜町(現中央区東日本橋三丁目)に浜町御坊(現築地本願寺)が創立されると、その寺中に移りました。
明暦3年(1657)いわゆる「振り袖火事」で浜町御坊とともに全焼し、浜町御坊が八丁堀先の海辺を埋め立て代地(現中央区築地三丁目)に移ると、当寺も寛永年間(1662~1672)その寺中に移りました。
浜町御坊の時代、本願寺第20代法主・広如上人が当寺に寄られた折、よせる波の音を聞かれて、その記念に「潮音閣」という閣号とそれを認めた掛軸を授けられ、以来「潮音閣」と号し、その掛軸も今に伝えられています。
大正12年9月、関東大震災により築地本願寺やその子院とともに当寺も全焼し、その後、昭和3年5月区画整理のため現在地へ移転して来ましたが、昭和20年5月25日夜、焼夷弾の集中投下により、堂宇ことごとく灰塵に帰しました。
昭和39年本堂を新築し、ここに伽藍を再興しました。
なお当寺の墓地には荒事を能くした歌舞伎の名優、初代市川団蔵(1684~1740)や囃子方で鼓の名手といわれた寶山左衛門(2代目・1835~1910、三代目・1859~1914)などが眠っています。
平成17年8月
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