117 貴船神社 【神社】(和泉3丁目22番22号)
当社は和泉熊野神社の境外末社です。「新編武蔵風土記稿」は江戸時代の当社の姿を「除地一段 村ノ北ノ方ニアリ 小祠ヲ東向ニ立ツ」と記しています。
創立は社伝では文永年間(1264年~75年)ともいわれますが、詳細は明らかではありません。
祭神はたかおかのかみです。この神は山または水にいて雨や雪をつかさどる竜神で、雨乞・止雨に霊力があるといわれています。当社はこの水を支配する神として信仰されていた、山城国(現・京都府)の貴船神社の祭神をまつったものと伝えられています。
境内の池は「御手洗の小池」と呼ばれ、かつてはいかなる干天にも涸渇することがなく、村民の雨乞を行う場所であり、その豊富な湧水から「和泉」の地名は、この池に由来するともいわれています。また水質も大変良かったようで『東京府豊多摩郡神社誌』は「里人は往昔此井より清酒を湧出せしなど云伝ふ」との伝説を伝えています。しかし、この湧水も周辺の住宅化にともない、昭和40年(1965年)頃には水が枯れてしまいました。
当社は大正時代においても「木造萱葺 間口四尺 奥行三尺」という小祠にすぎませんでしたが、古くから和泉地域の人々の厚い信仰に支えられて今日に至っています。
なお、現在の神明造りの本殿は昭和36年(1961年)の造営で、落成を記念した石碑も建てられています。
このページに関するお問い合わせ
教育委員会事務局生涯学習推進課文化財係
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0693