90 理性寺 【寺院】(永福3丁目56番29号)

 

ページ番号1007888  更新日 令和6年8月27日 印刷 

当寺は法真山理性寺という法華宗の寺院で、本尊は十界諸尊(じっかいしょそん)の曼荼羅(まんだら)です。
「御府内備考続編(ごふないびこうぞくへん)」によれば、当寺は承応3年(1654年)、大久保越中守忠辰、忠陰兄弟が両親の忠当(ただまさ)夫妻を開基として、その菩提のために開創したものです。
寺名は、夫妻の法名、法真院殿・理性院殿にちなんで法真山理性寺としました。
開創にあたっては、内藤新宿四谷大木戸(現・新宿区新宿一丁目付近)に、大久保家下屋敷の名義をもって草創し、後に老中久世大和守広之の許可により、境内地として使用することになったと伝えられています。現在地に移転したのは大正3年(1914年)です。
境内の左手には大黒殿があり、中には「火伏せの大黒天」と呼ばれる高さ約12センチメートルの木彫りの小さな大黒天が安置されています。
この大黒天は、日蓮が伊豆配流直前の弘長元年(1261年)に彫ったと伝えられる、お題目の「経」の字を形取った大黒天像で、寛政6年(1794年)に幕府寄合医師木村検校(けんぎょう)によって奉納されたものといわれています。「火伏せ」の由来については、当寺が新宿に在ったころ、近隣火災の折、大黒天が大団扇(うちわ)をもって現れ、類焼から守ったことによるといわれています。以後、火伏せの守り神として今も、甲子の日に「大黒天甲子祭」がおこなわれています。
墓地には、戯作者伊庭可笑(いばかしょう)、幕府医官林恒斎(はやしこうさい)、初代杵屋三五郎の墓等があります。

 

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