39 善福寺川 【川】(善福寺2丁目31番)

 

ページ番号1007963  更新日 令和6年4月25日 印刷 

善福寺川は善福寺池を水源とし、杉並区の中央を南東に蛇行して流れ、中野区に入って神田川に合流する区内最長の川で、区内での延長は約10.5 キロメートルです。
この川の流域には、区内における最大級の遺跡として知られる松ノ木遺跡を始めとして、光明院南遺跡・川南(かわみなみ)遺跡・谷戸(やと)遺跡・大宮遺跡・済美台(せいびだい)遺跡などがあり、こうした遺跡の所在は、水量豊かな善福寺川の流れを古くから人々が活用していたことをうかがわせます。
徳川家康は、天正18年(1590年)に江戸へ入ると、ただちに善福寺川・神田川・妙正寺川を給水源とした最初の上水といわれる小石川上水(のちの神田上水)をつくり、江戸に給水しました。明治34年(1901年)の東京市上水道の完成に伴い、飲料水の給水を廃止するまで、善福寺川は東京における最古の水道の一つとして地域を潤してきました。かんがい用水としてもひろく利用された善福寺川は、流域の農村の人々にとって、農耕・生活上重要な役割を担っていました。
昭和初期から終戦後に、川の一部で改修がおこなわれましたが、市街地化が進んだことで昭和20 年代に浸水被害が多発しました。そのため、昭和25年(1950年)から再び改修がなされ、現在も護岸の整備や調節池の増設など治水事業がおこなわれています。
昭和5年(1930年)には、水源である善福寺池の周辺地域が、また昭和10年(1935年)には中流域の和田堀地域が、都市における自然景観の保護を図る風致地区に指定されています。風致地区内にある都立善福寺公園をはじめ、川沿いの都立善福寺川緑地・和田堀公園は、武蔵野の面影を伝える豊かな緑が残り、私たちの目を楽しませてくれます。

 

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