52 神田川と古代遺跡 【川】(下高井戸3丁目26番1号)
下高井戸運動場の北側を流れている神田川は、井の頭恩賜公園に湧く井の頭池を水源としていて、杉並区を東流し中野区で善福寺川と妙正寺川に合流し、中央区の両国橋付近で隅田川に注いでいます。区内での延長は約8キロメートルで、かつては久我山・上高井戸・下高井戸・永福寺・和泉・和田の旧6箇村を貫流していました。
神田川流域は、昔から区内でも遺跡の宝庫として知られ、向ノ原遺跡、東原遺跡、高井戸東遺跡、下高井戸塚山遺跡、向方南遺跡、釜寺東遺跡など、旧石器時代から古墳時代に至る多くの遺跡が発見・報告されています。
この運動場でも平成2年(1990年)に発掘調査が実施され、旧石器時代から縄文時代および中世にかけての遺物が出土し、蛇場美(じゃばみ)遺跡の名前がつけられました。
江戸時代に入ると神田川は、江戸市民に飲料水を供給するための水道水源として神田上水と呼ばれ、人々に親しまれていました。この神田上水は江戸期では最古の水道施設で、天正18年(1590年)頃に小石川の目白台下に堰(せき)を築き、上水路を整備しました。なお上水としての利用は、明治34年(1901年)まで継続しました。
このように神田川は原始・古代から現在まで生活の場として、あるいは生活の手段として利用されてきました。
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