29 長泉寺 【寺院】(上高井戸1丁目18番1号)

 

ページ番号1007908  更新日 令和6年7月8日 印刷 

萬年山長泉寺は曹洞宗の寺院で、本尊は16 世紀初めに作られた木造大日如来坐像です。開山は武蔵国多摩郡和泉村(現・狛江市)の雲松山泉龍寺2世欗室関牛(らんしつかんぎゅう)大和尚といわれています。
当寺は慶安元年(1648年)、世田谷区の烏山にあった、通称「お伊勢の森」に開創しましたが、2年後火災に遭い、明暦元年(1655年)に日本橋から約17キロメートル(約4.35里)のこの地に移ったと伝えられます。現在の本堂・客殿・庫裏(くり)は、平成23年(2011年)年10月に整備されたものです。
本堂前の観音堂は「円通閣(えんつうかく)」といい、享保13年(1728年)に建立されたもので、西国巡礼の三十三観音像が安置されています。また、堂内に納められている板絵着色西国巡礼図(杉並区指定有形文化財)は、狩野派の絵師中田小左衛門が描いたもので、近世の風俗を知る上で貴重な資料です。
このほか、文化財としては承応3年(1654年)、貞享元年(1684年)銘の地蔵をはじめ石像や庚申塔も多く、本堂の前には区内でもめずらしい十六羅漢(らかん)の石仏も安置されています。
また、境内の老赤松の下には文化14年(1817年)銘の徳本(とくほん)行者真筆による石塔や、天保11年(1840年)に造られた釈迦如来(しゃかにょらい)・文殊菩薩(もんじゅぼさつ)・普賢菩薩(ふげんぼさつ)の三尊仏があり、墓地にはかつて上高井戸宿の本陣であったといわれる「並木氏(武蔵屋銘)の墓」(杉並区登録有形文化財)があります。
なお、大正の初め頃までは、境内で「長泉寺の馬駆」(4月)、「長泉寺の相撲」(8月)が行われ、近村にも有名でした。

 

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