地域の新たな絆づくりに向けて(平成23年7月11日)

 

ページ番号1005553  更新日 平成28年1月11日 印刷 

早いもので私が区長に就任して、ちょうど1年が過ぎました。この間、さまざまな課題に直面し、区としても全力で取り組んでまいりました。

その中でも、就任した直後に発覚した113歳の都内最高齢者の所在不明事件には、とても驚かされました。通常ならば、家族の誰かが所在不明になれば、「捜してください」と警察や役所に駆け込んでくるはずです。しかし、この事件は家族がいなくなって何十年もその状況が放置されていたのです。その後、全国の自治体で調査をはじめたところ、戸籍が存在しているのに現住所が確認できない100歳以上の高齢者は全国で23万4000人に上る結果となりました。このことは、戸籍の事務処理上のミスだけではなく、家族や地域社会の絆の希薄化とともに、高齢者の貧困問題等が浮き彫りになり、全国に「無縁社会」と呼ばれる課題を波及させました。

直ちに区は、100歳以上の方を対象に、職員による訪問調査を行いました。その結果、安否確認だけではなく、地域の高齢者が本来受けられるべきサービスの存在を知らないケースなど、高齢者の潜在的なニーズが多々あることが明らかになりました。

こうした状況を踏まえ、区は今月から、「攻めの福祉」を展開すべく「安心おたっしゃ訪問事業」をスタートすることにいたしました。

この事業は、高齢者の総合窓口である地域包括支援センターケア24の職員や民生委員の皆様を中心に、75歳以上で要介護認定などを受けていない主に行政に関わりの薄い高齢者宅を訪問するものです。

先の東日本大震災においても、家族・地域の絆の大切さや、地域の中にこそ助け合う仕組みの構築が不可欠であることを実感させられました。区は、この「安心おたっしゃ訪問事業」を通して、高齢者が安心して住み暮らし続けていける環境づくりと地域の新たな絆づくりに取り組んでまいります。

どうか、本事業に対しまして、これまで以上に区民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

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