自宅療養者の命を守るためにBCP(業務継続計画)を発動します(令和3年8月27日)

 

ページ番号1068827  更新日 令和3年8月27日 印刷 

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杉並区長 田中 良

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、自宅療養者が爆発的に増加しています。

区内の感染者数は、7月初旬と比較すると約7倍に増加しており、区内基幹病院の新型コロナ専用病床も、ほぼ満床に近い状態が続いています。そのため、保健所が日々の感染者のうち入院が必要だと判断しても、実際に入院できるのはその3分の1程度という、地域医療はこれまでにない逼迫(ひっぱく)した状況にあります。その上、本来なら軽症者や無症状者を受け入れる都の宿泊施設にもほとんど入所できないため、7月初旬に50人程度だった区内の自宅療養者はわずか1カ月の間に、一気に1,000人規模にまで膨れ上がってしまいました。

自宅療養者の多くは軽症か無症状ですが、入院できずに自宅療養を余儀なくされた中等症の方も日々増えており、加えて当初は軽症であっても急変することがあるため、健康観察を担う保健所の業務は高まる緊張感とともに限界に達しつつあります。私はこのような自宅療養者が、容態を悪化させ自宅死に至るという最悪の事態は、何としても回避せねばならないと考えています。それには、今後さらに自宅療養者が増えることも想定し、保健所の体制強化を図り、必要に応じて確実に医療につなげられる仕組みを構築することが急務だと判断いたしました。

そこで、9月1日から「自宅療養者支援ステーション」を区内3カ所の保健センターに設置し、全庁の応援体制により事務系職員等を大幅に動員します。具体的には、自宅療養者から体調のデータを毎日アプリ等で送信していただき、それを踏まえて保健師と連携を図りながら、全ての自宅療養者に1日2回の電話による体調確認を行えるようにいたします。そして、体調の悪化が認められた際には、入院先の調整を速やかに行います。

また、もしも入院先が確保できない場合には、杉並区医師会および訪問看護ステーションと連携し、訪問診療・訪問看護を行います。必要なら酸素吸入ができるようにしたいと思います。そのために酸素濃縮装置を区独自に確保いたします。

こうした体制強化により、保健所への応援職員は100人を超える規模になります。区はこれまでも、保健所の体制を拡充しながらコロナ対策を進めてきました。その一方で、その他の業務についても極力継続に努めて参りました。しかし、このたびのデルタ株による危機に対するには、かつてない大幅な応援職員の増員が必要と判断し、その人員を生み出すため、BCP (業務継続計画)(注)を発動し、不急の業務の一部を当面停止させていただきます。

区民の皆様には、ご不便をお掛けいたしますが、どうかご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

なお、自宅療養者の中には、煩わしく思ってアプリでの体調報告や保健所からの電話に応答していただけない方がいます。連絡が取れない場合には、保健所としては訪問により迅速に安否を確認しなければなりません。そのためには複数の貴重なマンパワーがそこに投入されることになります。従って、皆さまが感染者になり自宅療養者になった場合には、必ずや保健所による体調確認にご協力をお願いしたいと思います。それがご自身の命を守るとともに、ご家族をはじめ周りの大切な方々への感染拡大を食い止めるためであることを、ぜひともご理解いただきたいのです。

(注)BCP(業務継続計画:Business Continuity Plan):自然災害や感染症の流行、テロ攻撃などの危機的状況において、中核となる事業の継続や早期の復旧を図るための計画。

3年8月25日時点の区内の新型コロナ専用病床数・病床利用率のグラフ。7月の病床利用率は80%前後だったが、8月は100%近くになっている。

3年8月25日時点の区内の自宅療養者数の推移のグラフ。7月初旬は50人程度だったが、7月下旬から急増し、8月初旬には1,000人を超えた。

 

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