区内商店会の補助金不正受給についてご報告いたします(令和元年12月15日)

 

ページ番号1057033  更新日 令和1年12月15日 印刷 

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杉並区長 田中 良

この間、記者会見や区ホームページで公表していますとおり、西荻窪地域の複数の商店会が共催したイベント事業において、都区が交付する補助金を商店会が不正に受給していたことが判明しました。当該補助金は、区が商店会に対して補助した場合に、補助対象経費の2分の1を「都が区に対して」補助する制度です。区では、本年4月に都から不正の可能性を指摘された後、ただちに調査を進め、その結果、平成26年度から30年度までに2つの点における不正があったことが明らかになりました。

1点目は、「領収書の偽造」です。支払先から白紙の領収書をもらい、自ら金額を記入する方法により、合計約117万円を水増しして受給していました。

2点目は、「協賛金の収入未計上」です。イベント開催に際して募った協賛金は、計上しなければなりません。しかし、イベント実施団体ではない「西荻窪商店会連合会」が趣意書によって協賛金を集め、これをイベント収入に計上せず、その結果、補助金を不正に約846万円多く受給していました。

以上の調査結果を踏まえ、4月以降、都と返還額の算定等に関して協調して話し合いを進めていましたが、7月に入ると都の態度が急変し、いまだ協議が整っていない中、都は区に対して都負担分約1,925万円の補助金返還請求をしてきました。この金額は、水増し分だけではなく、過去5年さかのぼった当該イベント事業に係る補助金額全額に相当するものです。不正受給について商店会を擁護する余地はありませんが、イベントが多くの参加者の下に実施され、商店街振興や地域コミュニティ活性化の目的に寄与したことを踏まえれば、都の請求額は到底納得できるものではありませんでした。しかも、この決定について区の了解もなく一方的に外部に公表し、さらには支払期限を当初、あえて延滞金が生じる、補正予算を議決することもできない期日に設定していました。こうした都の姿勢は区との信頼関係を大きく損ねるものであり、極めて遺憾でありましたが、返還期日を過ぎてさらに違約加算金が増えるリスク等を勘案し、違約加算金約497万円を加えた約2,423万円の補正予算(歳出)を8月に計上いたしました。補正予算案の審議にあたっては、区議会においても補助金全額を求める都の考え方に対して厳しい意見が相次ぎ、最終的に議決いただいたものの「区民に税負担が及ばないよう留意すること」等の付帯決議がなされました。

その後、区の「法的責任」の有無などを明らかにするため、区内部に「商店会に関する補助金検証委員会」を設置し、弁護士や公認会計士の外部有識者のご意見を踏まえ、調査・検証を行いました。検証の結果、区が全商店会に配布するマニュアルに、協賛金等は収入として計上すべき旨、明記されていたことに加え、他の商店会においては同種の協賛金未計上は発見されなかったことから、当該商店会がイベント収入として計上する必要があるという判断は十分できたと考えられます。協賛金を募る趣意書の存在を区が知っていれば是正の指導もできましたが、区職員は全く認識していなかったと証言しており、商店会側からも区職員に伝えたという証言はありませんでした。こうしたことから、区には「法的責任」はないと判断するに至りました。

これを受けて、区は商店会に対し、都負担分については、区が都に返還した全額(約1,925万円)および都に支払った違約加算金相当額(約497万円)を原因者である商店会に請求することとしました。一方、区負担分については、補助金の交付目的である商店街振興等が果たされていることに鑑み、都の考え方とは異なり、水増しされた部分(約521万円)に限って返還請求することとしました。これは、8月の補正予算の議決にあたり可決された付帯決議に沿った内容にもなっており、この12月の区議会で補正予算(歳入)が可決されました。

区に法的な責任がなかったとはいえ、協賛金の取り扱いに関する説明および補助金の審査については、いくつかの説明不足や不明瞭とされる点が認められました。区民をはじめ関係者の皆さまに深くお詫び申し上げますとともに、管理・監督責任として、区長である私および区民生活部を所管する副区長の給料を100分の10減額(1カ月)することといたしました。今後、2度とこのようなことが起きないよう、区の説明・審査体制の見直し、都区間での協賛金に関する会計処理の明確化などの対策をしっかりと講じてまいります。


杉並区商店会に関する補助金検証委員会報告書は以下のリンク先からご覧ください。

 

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