杉並区のふるさと納税は、皆さまからの「寄附」を活かしていきます(令和元年11月15日)

 

ページ番号1056479  更新日 令和1年11月15日 印刷 

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杉並区長 田中 良

過熱した返礼品競争により、一部の地方自治体に巨額の「寄附」が集まる一方で、都市部の自治体を中心に税の流出が続いています。
杉並区では、令和元年度における住民税の流出額が24億7,000万円に上りました。生まれ育った故郷などへ「想い(おもい)」を持ってふるさと納税をしている方がいらっしゃる一方で、多数の方がカタログショッピングで商品を購入するかのように、縁もゆかりもない自治体から返礼品を取り寄せ、結果的に本来住んでいる地域の公共サービスに充てられるべき税金を大きく減少させている現状があります。
ふるさと納税制度は、名称こそ「納税」ですが、実態は自治体へ「寄附」することにより住民税等の税額控除が受けられる制度です。法改正により、返礼品の上限は寄附額の3割までとなりましたが、当然のように見返りを求める寄附が真に寄附と呼べるものなのか、疑問の念を禁じ得ません。

施設で作業する障害者の写真

杉並区のふるさと納税は、あくまでも「健全な寄附文化の醸成」を目指した制度として運用してきました。寄附先は、子どもの体験機会を創出する「次世代育成基金」など4つの基金とし、その上で、寄附者に対する“お礼”は全て区内の障害者施設で作られたものとしました。お菓子や織物を加工した雑貨など、心を込めて作った製品がお礼の品となることで、障害者の方々の雇用支援ややりがいの向上につながっているのです。

また、杉並区民の方が杉並区にふるさと納税をした場合(注1)や、区外の方がお礼の品を辞退した場合に、お礼の品相当額を区内児童養護施設等にプレゼントできる仕組みをつくりました。これにより、本来、受け取れない、または受け取らないお礼の品を、かたちを変えて子どもたちの笑顔につなげることができます。施設からは、「特別な日に着る服を購入した」「ピクニックに行って楽しい思い出づくりができた」といった、喜ばしい報告をいただいています。

その他にも、区内にある国の史跡「荻外荘」の復原・整備や、日本フィルハーモニー交響楽団による南相馬市など被災地支援活動の応援に対する寄附を、全国から広く賛同者を募るクラウドファンディングで実施しています(注2)。
年末が近づき、ふるさと納税をするべきか、するのならどこにするべきか、さまざまお考えの方も多いかと思います。杉並区では、納税いただいたとしても、ふるさと納税による寄附をいただいたとしても、全て区民福祉向上のためにしっかりと活かしてまいります。「税と住民サービス」や「寄附のあり方」といった観点から、あらためてふるさと納税についてご一考いただければ幸いです。

注1:住所を有する自治体へふるさと納税をした場合、当該住民に返礼品を贈ることはできません。
注2:全額を事業に充当する趣旨から、お礼の品はありません。荻外荘への寄附の場合、金額に応じて復原タイルの1枚を「あなたのタイル」として認定するなどの特典があります。

荻外荘の写真
近衞文麿の邸宅で歴史の舞台となった荻外荘
(平成28年4月撮影)
がれきがある被災地で演奏している写真
日本フィルハーモニー交響楽団による被災地での演奏

杉並区の4つの 基金

次世代育成基金
子どもたちが国内外で体験・交流する機会を創出
社会福祉基金
高齢者や障害者、児童福祉施設の整備等に活用
NPO支援基金
環境、教育、まちづくり等さまざまな分野で活動するNPO団体を助成
みどりの基金
公園や河川をはじめ屋敷林や農地のみどりの保全に活用
次世代育成基金活用事例の写真
次世代育成基金活用事業(左=小笠原自然体験交流。右=サイエンスホッパーズ科学実験教室)
杉並区から流出した区民税額を示すグラフ 平成26年度は0.4億円 27年度は1.3億円 28年度は7.2億円 19年度は13.8億円 30年度は18.7億円 令和元年度は24.7億円
杉並区から流出した区民税額

お礼の品相当額をプレゼントする仕組みを説明する画像
杉並区民等が児童養護施設等にお礼の品相当額をプレゼントする仕組み

「杉並区のふるさと納税」パンフレットができました。ふるさと納税特設ページからご覧ください。

 

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